読了の向こう側に一体何があるのか

名著読了後の世界が知りたくなった主婦のブログ

ただ書くことのためだけに今日も書こう

ジュリア・キャメロン著『あなたも作家になろう』読了。

 

あなたも作家になろう―書くことは、心の声に耳を澄ませることだから

あなたも作家になろう―書くことは、心の声に耳を澄ませることだから

  • 作者:ジュリア キャメロン
  • 出版社/メーカー: 風雲舎
  • 発売日: 2003/03/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

控えめに言っても、この本は私の人生を変えた。

 

「書き続ける限り、あなたはいつだって作家なのよ」という、シンプルで力強く、安心する言葉をくれる彼女のおかげで、私は作家になることだできた。この本に出合わなかったら(正確には、処女作『ずっとやりたかったことを、やりなさい』に出合わなかったら)、私は今でも「書きたいけれど書けない作家志望の女」もしくは、「書いてはみたもののちっとも上手に書けず先も思い浮かばず、中途半端に書き散らかす作家志望のやっかいな女」のまま一生を終えたかもしれない。

この本は、「ただ書くことのためだけに書くこと」が何よりも大切であり、むしろ作家になるために、それ以外に重要なことはひとつもないと教えてくれた。

「書く人」を作家というのであり、本を出版したことがあるか否か、また、それがどのくらい人々に読まれたのかという事実は一切関係がない。と彼女は言う。

そんな簡単なことを、そんな単純なことを、どうして私はしてこなかったのだろう。

それについても、ジュリアは解説してくれる。私たちの中には「内なる厳しい検閲官」がいて、

「そんなくだらない文章、だれが読みたいと思うのか」

「もっとわくわくして先が読みたくなるような話を書けよ」

「自分の思ったことをただ書き連ねただけのものが小説?笑わせないでくれ」

など、書こうと思う人の前に立ちはだかり、厳しく否定し続ける。この検閲官のせいで、私たちは自由に書けなくかっているのだ。

彼女はモーニング・ページと言って、寝起きに30分時間をとって、ノート3ページ分に、今、この瞬間に心に浮かんできたこと、まわりの情景(例えば私は今リビングにいて、コーヒーを前にノートを書いている。外は真っ暗で強い風の唸り声が聞こえている……)などを書きつけることを毎日続けるべきだと言う。そうすることにより、検閲官を黙らせることができるのだと。

このnoteの「noteクリエイターガイド」の一番上に「もっとも大事な事」という項目があるのを、12月末に私は発見した。開いてみると、こんなことが書かれていた。

創作活動でもっとも大事なこと
1年前 更新
みなさんにnoteを使っていただくにあたって、何よりも優先していただきたいポイントが2つあります。
・創作を楽しみ続けること
・ずっと発表し続けること
上の2つは、ページビューを増やすことよりも、お金を稼ぐことよりも、あるいはフォロワーを集めることよりも、何よりも大事なことです。
名文や超大作を仕上げようとして手が止まってしまうくらいなら、駄文でも短文でも悪ふざけでも、とにかく気軽に投稿しましょう。
短い文章、下手な文章、ラクガキ...、そういったものを恐れて手をとめる必要はありません。まずは、創作したいこと・伝えたいことを世に送り出す。表現力もファンも、あとから十分ついてきます。

 

まさにジュリアが言っていたのはこのことだ。

書き続けることだけが、道だったのに。

私はいつでも作家になれたのに、なろうとしてこなかった。

小学生の頃の私は立派に詩人だったし、エッセイストだった。

今、あの頃のように書いていることがとてもうれしい。

それでも、いまだに「こんなこと書いてもいいのか?」と思うときは頻繁にあるが、そんな時はこの本を、彼女の言葉を思い出して書いていこうと思う。下手でも、なんでも、自由自在に。大空を羽ばたいて、深海を散歩して。宇宙をのぞき込んで、ノートの中に奇跡を見つけて。

 

ただ書くことのためだけに。

 

今日も、明日も。

 

 

あなたも作家になろう―書くことは、心の声に耳を澄ませることだから

あなたも作家になろう―書くことは、心の声に耳を澄ませることだから

  • 作者:ジュリア キャメロン
  • 出版社/メーカー: 風雲舎
  • 発売日: 2003/03/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)