読了の向こう側に一体何があるのか

名著読了後の世界が知りたくなった主婦のブログ

ポジティブ8割、ネガティブ2割がちょうど良いとか。

1月17日、『ネガティブな感情が成功を呼ぶ』読了。

 

ネガティブな感情が成功を呼ぶ

ネガティブな感情が成功を呼ぶ

 

 

『ネガティブな感情が成功を呼ぶ』というタイトルが私はあまりしっくりこなくて、というのも、原題『The UP SIDE of Your DARK SIDE』がシンプルでとても好きだからなのだが、まあ日本で売り出すには直訳ではインパクトがないのでひねる必要があるのだろうなぁというのは理解できる。

特にこういうノウハウ本?ビジネス書?は「成功」という文字がキーでもあるのか。実際には、成功に関するノウハウというよりは、ネガティブな感情を時と場合に応じて上手く使いこなせれば、ポジティブな感情オンリーでいくよりも物事がうまくいくよ☆というものであった。

私は根っからの根暗で内向的でネガティブ感情モリモリでここまで生きてきた。コンプレックスだとか、嫉妬心だとか、自己否定だとか自己嫌悪だとか、極度の心配性だとか(現在不安障害で療養中ですらある。筋金入りなのだ)。

特に2012年に結婚してなじみのない茨城県に引っ越してからはしばらくどん底を経験していて、その時期に会った東京時代の友達はみな、私のあまりの自己肯定感の低さに引いてすらいた。

さすがに、これではいかんと思い、ポジティブになろう、とがんばったのが2018年~2019年にかけて。特に2019年に夢をかなえた人たちの自叙伝的ビジネス本や、堀江貴文の『ゼロ』など数冊を読み、メンタリストDaiGoのニコニコ動画会員になってからというもの、自分もやりたいことを追求していいのだし、追求すべきだし、追求しなかったのは自分の責任なのだという気持ちから、ポジティブ感情に支配され、やる気満々、レッツGOGO!!状態で突っ走っていた。

ネガティブな感情が浮かんできたら、即座に打ち消して、ポジティブ感情に置き換える。無理やり毎日ポジティブなことをノートに書く。ネガティブに支配されていた過去のどん底だった自分に戻ってしまってはいけないし、戻ってしまうのが怖いし、戻ってしまえば成功など夢のまた夢なのだと言い聞かせていた。

それが、全くの間違いだったとは。

でも確かに、感情のネガ、ポジにかかわらず、その感情に「支配されている」状態など間違いに決まっている。冷静に考えればわかるはずなのに。

成功本にはポジティブ感情こそ大事!と書かれている確率が高いので、そう流れてしまうのは致し方ないといえば致し方ない。

本書にも、今の世の中は全体として「ポジティブこそ正義」みたいな雰囲気があり、その雰囲気に多くの人が飲まれているという。

大事なのは、一歩引いた場所から自分の感情を観察し、ネガティブな感情はなんのために沸き起こったのか?今、この状況においてネガティブな感情を使ったほうがいいか否か?と考え、状況に応じた感情を戦略的に使うことだという。

ネガティブな感情、例えば恐怖や怒り、嫉妬、諦めなどは、不必要なものではない。むしろ生きていくうえで必要不可欠なものであり、使いこなすことにより人生をもっともっと良い方向に導くことができる。

ポジティブ8割、ネガティブ2割がちょうど良いとか。

 

 

読了して、2019年にモーレツにポジティブ信者だった私はかなり恥ずかしくなった。だが、落ち着くにつれ徐々にうれしい気持ちがわいてきた。

あの、苦しかった2012年以降約6年間。あの時期がむしろとても意味のある時期だったと肯定されたと感じたからだ(6年は長すぎるけど)。

あの時感じたあらゆるネガティブな感情は、「この生活を続けてはいけない」というメッセージだったのだ。一生懸命に私は、私に対して警告を発していた。今のままではいけない、もっと、やりたいことをやっていいのだ、と。実際に動き始めるまでその気持ちは続いた。自分の夢に向かって一歩踏み出してみれば、自然にネガティブ感情の量は減り、代わりにポジティブな感情が大きくなってきたように思う。

大いに納得したし、自分の過去を丸ごと受け入れることができて、とても充実した読書になった。

著者のトッド・カシュダン、ロバート・ビスワス=ディーナーには感謝しかない。

 

ネガティブな感情が成功を呼ぶ

ネガティブな感情が成功を呼ぶ