読了の向こう側に一体何があるのか

名著読了後の世界が知りたくなった主婦のブログ

村上春樹『海辺のカフカ』

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海辺のカフカ読了。
この本は大学生の時に一度読んで挫折しているのでかなり嬉しい。
当時の私にはあまりにも意味がわからなすぎて、もう村上春樹は読むまいと心に決めたほど(笑)

ピースの又吉が、夏目漱石の『それから』をはじめて読んだ時に同じように難しくて理解できなくて、とりあえず本を100冊読んでからまた『それから』を読んだら今度はきちんと分かった、と言っていたのを思い出した。
私もあれから100冊以上読んだから、分かるようになったんだ。読んできた甲斐があったなぁ。今までの読書は無駄じゃなかったんだ。良かったなぁ。と、しみじみ思う。

海辺のカフカにはナカタさんという、60代の文字の読めないおじさんが出てくる。ナカタさんは今までたくさん訓練したけれど、文字を読めるようにはならなかった。だけど彼は、人に尋ねることはできたし、礼儀正しいし、生活は一人でできたから特に問題なく生きて来れた。
でもある日、彼は図書館というものに生まれて初めて入る。そこには沢山の本があり、圧倒される。そして、自分は文字が読めないから、ここにある本のどれ一つも読む事が出来ないということをあらためて思う。
ナカタさんは生まれて初めて、字が読めるようになりたいと強く思う。字が読めるようになって、図書館で、沢山本が読みたいと思う。

その場面が私には一番印象的だった。ナカタさんの無念さが胸に迫る思いがした。

私はせっかく字が読めるのだから、沢山の本を読もうと思った。
明日からも忙しくなりそう、だって生きてる間に読んでみたい本がまだまだある…
ぞっとするほど。。