すぐに役に立つことは、すぐに役に立たなくなる。
池上彰さんの著書を読みふけっている。
2月1日、『知らないと恥をかく世界の大問題10』
2月2日、『おとなの教養』
2月3日、『一気にわかる!池上彰の世界情勢2020』
そして今現在、『おとなの教養2』を読書中。
最近、コロナウイルス関連のニュースに触れることが多く、不安障害を患う私のメンタルはかなりやばい。
それに追い打ちをかけるように、コロナ蔓延を嫌気した投資家がリスクオフしたため、ご存じの通り日経平均はダダ下がり。当然、私の投資もうまくはいかず……。
下がる相場でも稼ぐ手段はもちろんあるけど、そして私も少しは実践してるけど、乱高下するのが痛い。
とにかく疲れる。
しばらく休むのが絶対正解だとわかっているのに、乱高下こそ稼げるのでは。。。という下種な(?)衝動にかられ、つい手を出してしまう。そして負ける、の繰り返し。
本当に弱い人間だよ、私は。
そのくせ、減っていく自分の資金を見ながら心では大泣きしてるんだから。
何やってんだか。
そんな精神状態の中、池上さんの本を手に取ったのは、宿命だったのかもしれない。
池上さんの語りを聞いていると(実際は読んでいるんだけど)、心が落ち着いてくるから不思議だ。
語られている内容は、悲惨だったり、どうしようもなかったり、うまくはいかないことばかり。怒りや、虚しさや、ため息や。そんなものがあふれ出てきそうな内容なのに、不思議に平穏なあのすばらしいウユニ湖みたいな気分になる。
それは、しっかりと地に足を着け、強くしなやかな芯を自分の中に持っている人の言葉だからなのだと気づく。
池上さんはこうおっしゃっている。
現在のめまぐるしく動く世界情勢、日本の情勢にあたふたと慌てふためき、動揺しないですむように、自分のいる位置を見失わないようにするために、また、わけもわからないまま流されてしまわないために、『教養』を身につけるのだ、と。
その言葉は、私の心に刺さった。
教養はこの世界を生き抜くための武器になるんだ。
投資技術を学んでこの負の経済活動から抜け出そうと私は思った。
同時に、齋藤孝先生からも、本を読み、自分の頭で考えることの重要性を教わった。
そして、池上先生。
正しく理解することの大切さ。自分はどこからきて、どこへいくのか。
自分ひとりの経験から学べる量などたかがしれている。再び同じ過ちを売り返さないよう、本を読み、新聞を読み、世界を読み、過去から学び、他人から学び、それを理解する能力を身につけて、生き抜いていく。
私も、コロナウイルスに踊らされ、マーケットに踊らされ。
それじゃまだまだ甘いんだ。もっともっと勉強して、理解して、その時その時に一番ふさわしい行動を、自分自身で即座に判断できるようになりたい。
池上彰さんというメンターがまた一人増えた。
最後に、私がもっとも感動した一文を。
すぐに役に立つことは、すぐに役に立たなくなる。
すぐに役に立つ技術は、この進歩の激しい現代において、すぐに別の技術にとって代わられてしまう。だから、ハーバード大学でも、マサチューセッツ工科大学でも、すぐに役立つ技術は教えないのだとか。
池上先生がエリート女子大学のウェルズリーカレッジを訪問した際、案内してくれた利発そうな学生が、「私は経済学を学んでいる」と話し、それと同時に「でも、経営学は学ばない」と言った。
なぜかとたずねると、「経済学は世の中の仕組みを分析する上で必要な知識であるから学ぶ。でも経営学は、会社に就職して働く上で役に立つ学問だから、すぐに役に立ちすぎるので大学では教えない」と言ったそうだ。
池上彰さんでも、目からウロコが落ちた思いでした、と語っている。
私も、様々なことにおいて(こと、トレードにおいて)、結果を急ぐあまり大切なことを置き去りにしてきたのではないか。
だからこのような、過去に何度もあり、解決して進んできたような事柄にぶんぶんと、馬鹿みたいに振り回されているのではないか。
疲れた、と先ほど言ったが、自分で自分のしっぽを追いかけ、ぐるぐると同じ場所を回っている犬ではないか。(言い過ぎ?)
落ち着け。
まずは、リベラルアーツを学ぶんだ。
ことはそれからだ。
池上先生、どうぞこれからも、よろしくお願いいたします。