山田詠美が解剖してくれた「夫婦」
KAT-TUNを見るためにOPから正座待機していた先日のベスアで、トレンドに全く疎い私は、初めてまともにKing Gnuのパフォーマンスを見た。『白日』。
直後の感想はただ「おっしゃれ〜」というものだったが、2回目に歌詞を全て読みながら聞いたら、響いた。
という訳で早速Apple musicで『はじめてのKing Gnu』をDL、朝からけっこうな音量で流しながら朝ごはんを作る。朝から聞くには言い方悪いが、やかましすぎる曲たち。更には朝から食べるにはジャンキーすぎる、でん六のポリッピー5種アソート(しかも黒胡椒味)を食べつつ、カフェオレを飲む。最高。
そんな朝、子どもたちが起きてくる前の貴重なひとときに何を考えるかといえば、昨日読了した『A2Z』のこと。私たち夫婦の在り方について。
A2Zに書かれていた夫婦、山田詠美が解剖し、生々しい肉塊として私に見せて(魅せて)くれた「夫婦」というものに、深く共感し、心底納得した。
(因みに、文章自体は全く生々しくないですよ、抜群に爽やか。不倫なのに最後まで軽やか!)
山田詠美は夫(妻)のことを
「一番自分に馴染んだ他人」
と言う。結婚生活のことを
「あらゆる可能性をなだめながら飲み込んできた」もの、
「たったひとつのルールを守るために、自分の中にいくつもの感情を潜ませる」ものとして書く。
私も夫も、夫婦になってから生活をする上で色んなことを諦めてきた。私の場合それのひとつは「語り合うこと」。
夫は私と話をしたがらない。私は話すことが好きなのに。私の話は全く聞いていない。そして自分の事も殆ど話さない。
これだけ聞くと、冷めきった夫婦のようだが、それは違くて、
「この生活を上手く回していく」という共通の目的のためにはガッチリ手を組み割りとあうんの呼吸で動けすらする。意見も合うことが多い。
こと「生活」「暮らし」というものの前に於いて甘い恋愛など塵と化す。それが夫婦。
だから人は浮気とか不倫したりするのか?
山田詠美は書く。どう足掻いても不倫は期限付きのものだ、と。
もしも自分だったら?
などど考えてしまう。
"期限付き’’を楽しめるか?受け入れられるか?
私なら?
おっと、と。
そんな事をつらつら考える、King Gnuと豆とカフェオレの朝。
そろそろ子どもたちを起こそう。